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今は遠き夏の日々 ~学校七不思議編 その十二~

 成上校七不思議の噂

 夜の学校探検のあった、翌週の事である。
「柳瀬さーん。見てください、これ。金曜日の写真、現像できましたよ」
 昼休みになって、香苗は昼も食べずに、まっさきに夕美のもとを訪れた。夕美のいる教室に入ると、彼女は昼休みになったというのに机に伏せて眠っていた。
「起きてくださいよう」
「うるさいなあ。何か写ってんのかよ?」
 目元をおさえながら、夕美は写真を受け取った。
「それがもう、ばっちり。私、生まれて初めて本物の心霊写真撮っちゃいました」
「なになに? こないだの写真?」
 と、小夜子が自分の机から弁当箱を持ってやってきた。
「そうですよ。見てくださいこれ」
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[つづきはこちら]
今は遠き夏の日々 ~学校七不思議編 その十一~

 夕暮れ音楽室の噂。

「さて、またここに戻ったけど、どうする?」
 来た道を引き返し、ようやく階段までやってくると、小夜子は振り返って二人を見た。
「とりあえず、四階から離れよう。あの門は危なすぎる。あたしらじゃ手におえないよ」
 と、夕美が言った。小夜子としては、あの門を調べてみたいという気持ちもある。しかし、夕美の顔が今まで見たことがないほどに青ざめているため、今は彼女の言う通りにしておこうと考えていた。
 それにしても、まさか本物の幽霊をこの目で見る日がこようとは。と、小夜子は鎧や軍服の男や、首を切った男子生徒、そして、浪人風の剣士のことを思いだした。
 浪人。自分のご先祖様。小夜子は幾度となく自分の血を呪ってきたが、この日、初めて一条の人間であることに感謝した。
 ともかくとして、三人は一つ下の階に降りた。
[つづきはこちら]
今は遠き夏の日々 ~学校七不思議編 その十~

 赤い開かずの間の噂

 鎧ごと真二つに斬り捨てられた腐乱死体は、もう動き出す気配がなかった。
 もしかしたら、自分が死んだことに気がついていなかったもしれない。
 だから、あの侍に斬られて、もう一度、死に直したのだろうか。
 考えたところで、夕美には確かなことが分からない。
 彼女にできることと言えば、『あの人たち』を見て、『あの人たち』の言っていることを聞くということだけである。成仏させてやることも、あるいは祓うことも、彼女にはできない。そうした特別な力を持っていないからである。
[つづきはこちら]
今は遠き夏の日々 ~学校七不思議編 その九~

 赤い鎧武者の噂

 深夜の校舎の中、二人の女子生徒が、明かりもつけずに抱き合っている。それを見た香苗は、何とも気恥ずかしく感じると同時に、何とも言えない疎外感を感じた。
「ねえ、早くいきましょうよ。またいつあの鎧が追いかけてくるか分からないですし」
 と、香苗はたまらず二人をせかした。
「ああ、そうだな。……悪いけど、あたし今ちょっと腰ぬけてて立てないからさ、手え、貸してくんない? あと小夜子。いい加減重いし暑い」
「失礼な! そんなこと言う子にはこうするよ!」
「あ、あはははは! ばかやめろ! あはは! やめろって!」
 と、夕美はのしかかっている小夜子に、体をくすぐられた。
「もう! 二人とも! 早くしましょうよ!」
 そうして彼女はようやく立ち上がったのだが、しかし、そうなると一体どこに向かえばいいのかが分からない。いや、ともかくは鎧武者から逃げなければならないのだが、部屋と部屋のつながり方が普通ではない以上、闇雲に逃げ回るのも危険であった。
[つづきはこちら]
美琴の剣! ~更新情報~

『美琴の剣!』
戦国の章 『その参 須佐之助と不忠義者』を更新しました。

興味のある方はどうぞ

http://novel.fc2.com/novel.php?mode=tc&nid=175628
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