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牧原美奈子の噂
七月十日、木曜日。 成上校部室棟の隅には、人の寄りつかない女子トイレがある。そこは、柄の悪い女子生徒たちのたまり場になっている上に、そう言う場所であるという噂も広まっているため、遠回りになってでも、誰もが別のトイレを使うのである。 その噂のトイレでは、四五人の女子生徒が煙草の煙が漂う中で、けたけたと笑い声を響かせていた。みな、ここで誰かの影土や悪口を言うことが目的なのである。 「ところで……。牧原美奈子の話、聞いた?」 へらへらとしながら、女子の一人が言った。 PR 人面犬の噂
七月十四日、月曜日。 「やっほー、陽見先輩」 と、香苗はオカルト研究部の扉を開けながら、部室に入った。 「やあ、アサムラさん」 「今、先輩一人だけですか?」 うむ、と陽見太一は頷いた。それから香苗も部室内を一瞥したのだが、主に撮影を担当している村田も、自称霊能者である岩瀬の姿も、そこにはなかった。 「一条さんのことについて、ちょっと聞きたいことがあってきたんですけど。あと、何か面白そうな噂話もついでに教えてほしいなあ、なんて」 「面白そうな話ならあるよ。最近、稲穂坂町で『人面犬』が出るらしい」 「……人面犬?」 投稿2012/09/28
ブログ掲載2013/07/07~ X Factorとかぶる可能性があるので 毎週金曜日更新に変更します 目次 学校七不思議編 その一・朝村香苗 その二・一条小夜子と柳瀬夕美 その三・新聞部 音楽室の噂 美術室のお札の噂 三年四組のこっくりさんの噂 トイレの花子さんの噂 霊感少女の噂 赤い鎧武者の噂 赤い開かずの間の噂 夕暮れ音楽室の噂 成上校七不思議の噂 都市伝説編 オカルト研究部 魔の横断歩道の噂 FC2小説版(内容は同じ http://novel.fc2.com/novel.php?mode=tc&nid=175390 魔の横断歩道の噂
六月二十四日、火曜日 びょう……。 と、風が、駆け抜けた。 空から窓へ、教室から廊下へ、進めば進むほど力を失い、やがて風は消えたのだが、そのことを気に留めるものは誰もいない。市立成上高校の朝は、いつものように生徒たちの声で騒々しく、風はおろか、周囲の話すら互いの耳に入ってはいなかった。 「あ……。牧原美奈子だ」 そうした中で、教室の窓際で群れを成している女子の一人が、関心のあるようでないような声を漏らした。 成上市都市伝説編
六月二十三日、月曜日。 そこかしこから聞こえてくる生徒たちの笑い声や、話し声がまばらになりはじめた頃、朝村香苗はそのいずれにも耳を貸すことなく、実に深刻な顔をして部室棟の廊下を歩いていた。 目的は、部室棟最上階の隅に追いやられている部室、オカルト研究部の部屋である。 朝村香苗は、オカルト記事担当とはいえ、新聞部の部員である。他の部との交流もそれなりにあるが、とはいえ、他の部を掛け持ちしたりなどはしていない。その彼女が、最終下校時間の目前にしてオカ研に向かっていたのには、訳があった。 オカ研の部室前にやってきた香苗は、二度、三度、一度、と部室の扉を叩いた。ややあって、どうぞ、と中から声がしたのを確認して、香苗は中に入った。 暗い部屋である。さすがに日が沈みつつある時間であるとはいえ、それにしてもその部屋は異様に暗かった。 | カレンダー
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